第51回 米国臨床腫瘍学会記録集
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●抗CTLA-4モノクローナル抗体のイピリムマブ(IPI)単独療法は、既治療の進行期悪性黒色腫を対象とした第Ⅲ相試験においてgp100ペプチドワクチン単独療法に対し全生存期間(OS)の有意な延長が報告されている(p=0.003、log-rank検定)1)。また、抗PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(NIVO)は、BRAF変異のない未治療の進行期悪性黒色腫に対する第Ⅲ相試験(CheckMate 066試験)において、ダカルバジンに対しOSの有意な延長を認めている(p<0.001、log-rank検定)2)。●NIVO+IPI併用療法は、既治療の進行期悪性黒色腫を対試験概要象とした第Ⅰ相試験において有効性が確認され3, 4)、続く未治療例を対象としたランダム化第Ⅱ相試験(CheckMate 069試験、CA209-069試験)では、NIVO+IPI併用療法のIPI単独療法よりも優れた有効性が報告されている5)。●本発表はCheckMate 069試験のアップデートで、サブグループ解析や予後不良例も含めた有効性および安全性の解析結果である。試験デザインは図1の通りで、安全性評価対象例は、試験薬を1回以上投与された症例とした。7第51回 米国臨床腫瘍学会記録集●NIVO+IPI群とIPI群の患者背景を表1に示す。結果ランダム化からの追跡期間最小値:11カ月数値:%*他のすべての内臓転移、または血清LDH高値を伴う遠隔転移†併用群でPS 2が2例、その他はPS 1であった前処理済みの腫瘍検体は、中央施設でPD-L1の免疫染色を行った(BMS/Dacoアッセイ)年齢中央値(歳)65歳以上男性/女性Stage Ⅳ(AJCC)M1c*ECOG PS 0†ベースラインのLDH値 ≦ULN >ULNPD-L1発現≧5%BRAF V600変異645066/3489468374252524675768/3281457977232321NIVO+IPI群(n=95)IPI群(n=47)RECIST ver. 1.195%CIはClopper- Pearson methodに基づき算出SD:Stable Disease, PD:Progressive DiseaseORR %(95%CI) p値最良総合効果 % CR PR SD PD 評価不能59 (48-69)223713161311 (4-23)011304713<0.0001NIVO+IPI群(n=95)IPI群(n=47)NIVO+IPI群IPI群081624324048566472死亡またはPDPFS中央値(月、95%CI)HR(95%CI)、p値NIVO+IPI群(n=95)42/95NRIPI群(n=47)32/473.0(2.8-5.1)0.39(0.25-0.63)、p<0.00011008060402000369121518無増悪生存率期間(週)期間(月)9547692258104772621000No. at RiskNIVO+IPI群IPI群*打ち切り(奏効持続中)NIVO+IPI群IPI群#9004進行期悪性黒色腫に対するニボルマブ+イピリムマブ療法と イピリムマブ単独療法を比較したランダム化第Ⅱ相試験における抗腫瘍効果および無増悪生存期間(CheckMate 069)Clinical response, progression-free survival (PFS), and safety in patients (pts) with advanced melanoma (MEL) receiving nivolumab (NIVO) combined with ipilimumab (IPI) vs IPI monotherapy in CheckMate 069 study.Hodi FS, et al. Dana-Farber Cancer Institute, Boston, USA未治療の切除不能悪性黒色腫(Stage Ⅲ/Ⅳ)BRAF野生型(n=100)、またはBRAF変異型(n=50)BRAF変異状況で層別化NIVO(1mg/kg)+IPI(3mg/kg)3週間毎、4サイクルプラセボ+IPI(3mg/kg)3週間毎、4サイクルNIVO(3mg/kg)2週間毎PDまたは忍容不能な有害事象の発現まで投与プラセボ2週間毎二重盲検NIVO+IPI群(n=95)IPI群(n=47)初回の主治医評価(RECIST ver. 1.1)でPDの場合、臨床ベネフィットおよび忍容性があれば治療継続を可とした。IPI群ではPD後のNIVO単剤療法も選択可とした。PD確認後および治療変更後は、全患者の盲検を解除した。●主要評価項目: ORR(BRAF野生型)●副次的評価項目: PFS(BRAF野生型/BRAF変異型)、ORR(BRAF変異型)、安全性治療中非治療中初回奏効(CR/PR)奏効の持続奏効までの期間中央値(月、範囲)奏効期間中央値(月、範囲)奏効の持続例/奏効例(%)IPI群(n=47)2.7(2.5-7.9)未到達(3.5-9.8)*4/5(80)NIVO+IPI群(n=95)2.8(2.3-9.9)未到達(0-12.1)*46/56(82)表1患者背景(n=142)表2抗腫瘍効果(主治医評価)図2奏効までの期間および奏効期間図3PFS(主治医評価)図1試験デザインランダム化2:1
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